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花に妻問いをして、思いを通わせた。
将来を約束できたことが、これほど幸せな気持ちになると思わなかった。
瑞香のなかで、花を慈しんだ。花が腕の中でまどろむまで。
花は気づいていないようだが、少しずつ美しさと色香をまとうようになった。
それが私の腕の中で花開いていくのは、言いようのない満たされた気持ちだった。
うとうとした花に腕枕をして髪を撫でる。
半分寝ながら、花はつぶやいた。
「公瑾さん…私が公瑾さんのお嫁さんになるの、一番先に尚香さんに教えますね…」
なんでそんなことを報告するのかと思ったが、私が気にすると思ってのことだろうとわかった。もう、他の男のことを気にしてやきもきするような気持ちはなかった。だが、気を回した花がかわいくて、抱きしめる。
まだ夜は寒い。
肩を冷やさないように夜具を首元までかけた。
このぬくもりは、死が分かつまで共にある。
日を重ねる分、愛しさも重ねて行こう。
貴女の安らいだ寝顔がいつも腕の中にあるように。
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