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「なんだ、文机の前でうたたねとは俺の真似か?」

夜更けに帰った守は、はるの寝顔に頬を緩める。

はるが書き散らしたものに目を通して、くくっと含み笑いをした。

主人公の名前は違えど、自分とはるの恋物語そのままだ。

「おかしなやつだ」

守は、はるの頭を撫で、その肩に母の夏羽織をかけた。





七月拾弐日

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雅 「はる、いつまで寝てんのさ。僕と出かけたくないわけ?朝ごはん作ってきてやったんだから起きなよ!」




六月三拾日

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博「はる吉、ちょっときて、これあげる!」

はる「これは…百合根ですか?」

博「チューリップっていう花の球根。春には咲くからさ」

はる「ありがとうございます、大事に育てますね」

博「でへへ、き、求婚だからね!赤い花が咲くんだ、楽しみにしてて」

はる「はい!」



    -----赤いチューリップの花言葉「愛の告白」





壱月弐拾七日 求婚の日

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博「あれ?はる吉、いまごはん?一人で食べてるの?」

はる「はい(すこし形が煮崩れた鰈をそっと博の視線からはずす)」

博「んふ、なんかおいしそう」

はる「だ、だ、だ、だめです、これはちょっとまだ形が煮崩れて」

(皿と箸を奪ってぱくつく博)

「ん、うまい!はる吉上手じゃない、ほら、あーんして」










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「正様、お仕事お持ち帰りですか?」

「まあな。少し時間がかかりそうだからお前は先に休んでおけ」

「いえ!正様がお仕事なさるのでしたら横で扇いでいます!」

「そうか?では頼む」

一時ほど正は机に向かう。

窓から蛍が入ってきた。

真っ先に何か言いそうなはるが静かだ。

正はその寝顔にくちづけた












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